週末の夜、ヒルクレストにある半野外のミニシアター、Cinema Under The Starsで、オードリー・ヘプバーン主演の名作『Breakfast at Tiffany(ティファニーで朝食を)』を観て来ました。
古い映画を観られる隠れ家的な映画館
Cinema Under The Starsは古い映画ばかりを月に数回上映している小さな映画館です。映画館といっても建物の隙間の空間を上手に利用した半分屋外のスペースで、座席数は50席くらい。
ここのオーナー(?)のおじさんがまた古い映画から出てきたキャラクターのような独特の雰囲気を持っていて、入って来る客一人一人を座席まで案内してくれます(それゆえに入場に時間がかかります)。
座席は簡易椅子なのですが、どれもリクライニングだし、足置き場があるし、前後のスペースはたっぷり取られているし、あったかいブランケットも用意されていて、いまの最新のハイテク映画館とはまた違った意味で快適なことこの上なし。わたしと相方はさっさと靴を脱いで毛布にくるまって観ました。
ホームシアターにはないもの
ここの映画館の何が好きって、自分でもよくわからないのですが、とにかくノスタルジックというか、古き良き時代、みたいなことを思い出させてくれる点。たとえば看板はこんな感じ(これは今回の『ティファニーで朝食を』ではなく前回、『プリティーウーマン』が上映されたときに撮ったものですが)。
映画館の中にもハリウッドの往年の名優の絵が随所にあります。
映画は事前予約制で(予約なしでも空いていれば入れますが)、当日窓口でお金を払うスタイル。現金か小切手のみでカードは使えません。支払いをすると、こんな手書きのチケット(?)をくれるのですが、このチケットを見せると、その当日のみ、お隣のバーなどで割引などの特典があるのだそう。
どうですか、この手作り感覚。大好き。
お客さんはやっぱり年配の方が多いかと思いきや、20代30代とみられるカップルもけっこういます。家で、しかも大画面で映像を観られる時代ですが、この映画館はそれでもここに来て観たくなる魅力があります。半野外っていうのがまたいいのかも。
『ティファニーで朝食を』小説と映画の違い
『ティファニーで朝食を』はトルーマン・カポーティーの原作は持っていて愛読していたのですが、じつは映画版を観るのは初めて。原作とはだいぶ違うのだなということがわかりました。一方で、小説だけを読んでいたときには理解するのに何年もかかったことが、映画ではわかりやすく表現されていて、映画と小説の役割の違い、目的の違いを感じ取ることができるなど、ただ映画を観るだけじゃない楽しみが今回はありました。
往年の名作も、ストーリーだけ聞いたことはあるけれど実際に観たことがあるものは実は少ない。なので、この映画館で上映される時に積極的に観に行きたいなと改めて思いました。昔観たことがあるものも今改めて観ると全然違う解釈ができたりする、それが芸術の面白いところです。
旅行中、もしいい映画の上映とタイミングがあえば、ぜひ行ってみてください。なかなかできない、いい体験になるのではと思います。