木曜日の夜、パタゴニア・カーディフ・バイ・ザ・シーで行われた、フォトグラファー、竹井達男さんの写真集『AUTHENTIC WAVE』の販売&サインイベントに行ってきました。
平日の夜にもかかわらず、大にぎわいで、達男さんの写真集はあっというまに完売とのこと。仕事を終えてからのこのことやってきて、写真集を求める人の列におののき、ちょっと一杯やってから並ぼう、なんて思っていた我々はこの日に写真集を入手することができず。
どういう関係の方なのか、こんなすてきなご夫婦がいらっしゃっていました。サーフ系のイベントがあると、老若男女問わず幅広い人が普通に集まるところに、カリフォルニアのサーフカルチャーの懐の深さをいつも感じます。
会場には、スキップ・フライの愛弟子と言われるシェイパー、ジョシュ・ホールもいました。サーフィンマニアでなぜか異常に顔の広い相方はジョシュとも当然のように顔見知りでした。紹介してくれ、「(わたしは)平日朝はスキップ・フライのホームブレイクでサーフィンしているよ」なんて話をして、「あ、じゃあ、きっといつか会うね」なんて会話ができるよろこび。
大学生のとき、将来何がどう役に立つかわからないながらも心惹かれるままに英語を勉強しておいてよかったと思うのは、こういう風に日本語を話さない憧れの人たちと会話ができることですね(なんちゃって英語ではありますが)。
この後、達男さんとデヴォン・ハワードによるトーク&スライドショーがあり、『AUTHENTIC WAVE』に収められた写真のいくつかの裏話というかサイドストーリーを知ることができて、とても面白かったです。
スライドの途中で、達男さんが「これは誰だかわかる?」という質問を投げかけることが度々あったのですが、いつのまにか写真集に出てくるサーファーの結構多くの人を、そのスタイルだけで、誰だかGuessできるようになっている自分にびっくり。しかし、カリフォルニアの若者たちはさすがにもっとツワモノで、詳しかった。みんなマニアックだなぁ。
いずれにしても私たちよりずっと若そうなサーファーも多くいて、クラシックもしくはカルチャーとしてのサーフィンを愛する人たちは一定層ちゃんといるんだなと感じました。コンペティションサーフィンとはちょっと違うもので、サーフィン業界のメインストリームではないけれど、でもトラディショナルなスタイルなりカルチャーはリスペクトはされていて、きっとちゃんと次の世代に受け継がれていくのだな、などと思った次第。
達男さんの写真集は、作品としてはもちろんですが、20年間のカリフォルニアのシングルフィン、ロングボードの歴史の記録という意味でも、とても価値が高いと思います。もたもたしていると逃してしまいそうなので、次こそ絶対入手せねば。
ちなみに、そのスライドショーのときの写真が一枚もないのは、あまりに楽しくて聞き入ってしまい写真を撮り忘れたからです。
よく、編集ライターって好きなところに行って体験してそれの記事を書いて仕事にできるからいいねって言われますけど、本当に好きだと集中して仕事を忘れ、だいたい取材内容や写真が抜け落ちるし、仕事と思うと抜けがあってはならぬと心からリラックスできないので、なかなか両立って難しいのです。と、ごちゃごちゃ書いたけれど、でも、もちろん、この仕事が好きです。しあわせなことだ!