太平洋横断にチャレンジする盲目のセーラ—、岩本光弘さんが出港

サンディエゴ在住の全盲のセーラ—、岩本光弘さんが、二度目の太平洋横断にチャレンジするため、2月24日(日)にサンディエゴを出港しました。

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岩本さんは2013年に、ニュースキャスターの辛坊治郎さんと共にヨットによる太平洋横断に挑戦しましたが、クジラと思われる予期せぬ障害物にぶつかり、浸水。救命いかだに乗り移り、11時間漂流したところで海上自衛隊に救助され、一命を取り留めたという経験があります。

そのことについて、企画が無謀だったのではないか、など、岩本さんをはじめ関係各位には大きな批判が寄せられました。岩本さん自身も「自分なんかが太平洋横断したいという夢を持ったばかりにいろんな人に迷惑をかけた」と落ち込んだと聞いています。また、船が難破したしたことによるPTSDにも苦しめられ、一時期は船どころか海を見ることもできなかったと言います。

でも、そのネガティブな領域にずっと留まることなく、自ら這い上がるのが岩本さんのすごいところ。「諦めずに挑戦し続けることの大切さを説いてきた自分が諦めてはいけない」とポジティブに思考を転換していくのです。

具体的には、そもそも命を落としてもおかしくなかった状況で、奇跡が重なり助けられたことを振り返り、助けられたことには意味があるのだと考えるようになり、ひいては、「失敗したことによって良くも悪くも注目を集め、おかげで再チャレンジの際にはより多くの人に見てもらえるし、成功したら最初に成功するよちももっと大きな形でチャレンジし続けることの大切さを伝えられる」と自分の精神を立て直していくのです。

岩本さんの人柄というか人格が伺える大好きなエピソードのひとつが、セーリング仲間が「今日は夕日がキレイだから海の上から見よう」と誘った話。岩本さんが「いいですねぇ」というので、いそいそと2人で沖まで出たところで、誘った人は岩本さんには夕日が見えないことを思い出したと言います。

というのも岩本さんは日常生活では盲目だということを忘れてしまうほど普通に生活しているように見えるのですね。そして、「僕は見えないから」と言って断らないのが岩本さんなのです。

「見えないことを忘れていた」とボートの上で平謝りしたセーリング仲間に対して、岩本さんは「いえいえ、見えますよ、太陽はこっち側でしょ。温度の違いでわかりますよ」と答え、「この感じだとあと数分で沈むでしょう?」とぴったりと日の入り時刻を当てたと言います。

恐れ入る、強く美しい魂の持ち主です。

そんな岩本さんの再チャレンジは、約60日をかけて太平洋横断し、福島市の小名浜に着く予定です。こちらのサイトでは現在地などを見ることができます。

航海の無事を祈り、応援するとともに、夢を実現して、さらにパワーアップした岩本さんがサンディエゴに帰ってくることを楽しみにしています。

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